「あー。お前なんて、死んじまえばいいんだ」
「その言葉、熨斗をつけて返してやろう」
「はぁ? 意味わかんねぇ。オレが死ぬ理由が見つかんねぇ」
「それは我とて同じこと。主は誰にも必要とされておらぬのだから、世界から消えればいい」
「頭わかしてんじゃねーよ。オレは少なくともお前よりかは、必要とされてるわ。一応、暗部の部隊長だしな」
「偽りも見抜けぬのか? 情けない」
「必要とされてる根拠も出せないような奴がなに言ってんだ」
「我の力を欲するものは大勢いるに決まっておろう。使わぬ頭を使え」
「ろくな奴いねぇのな。オレには部下も同僚もいっぱいいるんだよー」
「力なき雑魚など、いくらいたところで、何の足しにもならん!」
「そーいう考えかたしかできねぇのかよ。クズが」
「里の人身御供になった忌み子がほざくな」
「お前がいるから、人身御供にされたんだよ」
「輪廻の中で、貴様は忌み子となる運命を担っていたのだ」
「んじゃ、お前は封じられる運命でも担って生まれたのかよ」
「貴様が死ねば、その運命も終わるけどな」
「オレが死ぬときは、お前も一緒だろうが」
「一人で死ね」
「オレだって、お前と心中なんて勘弁して欲しいんだよ」
「なら、さっさと解放せんか」
「お前を解放して、オレだけが死ぬとかマジありえねー」
「ガキのわがままだな」
「だから、一匹で死ねっつってんの」
「却下」
「死ね」


第三者から見れば、どっちもどっちの喧嘩だ。
お前らどっちもガキだから。十二歳と何百歳の喧嘩に見えないから。
あんた、仮にも暗部の総隊長だろ? その小さな狐から力借りてるんでしょ? いいじゃない。仲良くしなよ。オレらが迷惑するから。
こっちは早く終わらせたいの。あんたらが働いてくれたら一瞬で終わるの。ねぇ。頼むからその喧嘩やめてくれない? どうせどーにもなんないんだし。
本当は仲良しだってわかってるから。喧嘩するほど仲が良いを実践してるんだね。
だから――――

いい加減にしやがれ!!