【一週間で5のお題】
月曜日:NARUTO
火曜日:AA(流石兄弟)
水曜日:うしとら(とらうし)
木曜日:サイクロ(コタ+クロ)
金曜日:ゴクドー君
土曜日:IWGP
日曜日:HTF
新しい年
新しい朝
新しい一週間
人は新しいものが好きだ。
目が覚めて、朝日を見る。
昨日と過去の延長線上にある新しい一週間にため息をついた。
「新しい人生ってのに憧れるよ」
小さくもらした言葉を聞く者はいない。
ナルトは生に執着がなかった。
しかし、死にたいとも思わない。
願うのは、自分のままで新しい人生。
知らないところへ行くのもいいかもしれない。
適当に朝の用意をして、家を出る。
笑みを貼り付けて一秒、ナルトは走り出す。
「今週も、元気にいくってばよー!」
新しい朝。
新しい一週間そうそう、出会ってしまった人はご愁傷様。
「せいぜい一週間、眉間にしわを寄せて過ごしてくれ」
気づかれないように笑う。
新しい一週間が少しだけ好きになる。
「はじめまして一週間」
集合場所につくや否や、言ってきたナルトに、サクラとサスケは首を傾げた。
月曜から始まる七日間
人の一生を、一週間に置き換えてみた。
まぁ、大体が八十歳くらいまで生きるだろ?
んじゃ、一日で約十二歳だ!
今、オレ達は十七歳だから、火曜日の昼ごろかな。
まだまだ人生始まったばかりだろ?
しかもだ!
金曜日、ちまり五日間生きると、十二×五=六十。
つまり定年退職だ。
まさに週休二日。我々、学生のサイクルと同じなのだよ!
休みを待ち遠しく思いながら、毎日生きる。
人生の縮図だな。うん。
「ああ、そうだな兄者」
だろ?
「だが、兄者は週休七日制のようだが?」
うっ……。それは、だなぁ……。
「……すまんかった」
いや、悪いのはオレだ。謝るな。
早く土曜日になればいいな。
「だな。
そしたらまた、ゆっくりと散歩しような」
弟者、すまんな。
オレが人と関われなくなってからというものの、お前に頼りっきりだ。
貴重な休みをオレのために使ってくれてありがとう。
ああ、早く休みにならないだろうか。
休みは遠い火曜日
「あと四日で休みだー」
「まだ四日もあるんだぜ?」
学校でこんな会話を聞いた。
改めて考えてみると、あと四日なのか、まだ四日なのか。
自分がどっち派なのかわからなくなる。
「とらはどう思う?」
肩にいるとらに小さく尋ねる。
ふと疑問に思ったりすると、最近は肩の辺りに目をやる癖がついてしまった。
「別にー。わしからすれば、たかが四日だからな」
妖怪であるとらからしてみれば、四日程度は刹那と変わらない。
「まだ」も「あと」もないのだ。
「……ま、お前は学校にこないといけないわけじゃねーしなぁ」
学校が嫌いなわけではないが、授業は退屈だ。早く休みになればいいのにと思う。
「次はどこ行く?」
「山はこの間行ったしな」
「じゃあ海だ!」
「はぁ? このくそ寒い中にか?」
「いいじゃん。お前の毛皮あったかいし」
「わしで暖をとるんじゃねぇ!!」
いつもどおりの会話をしているが、肝心なのはここが学校だということだ。
「蒼月、どうしたんだ……?」
「いつものことだ。そっとしとけ」
中間点なので水曜でターン
下手に先が見えていると、気持ちが疲れてしまう。
先へ進めども、進んでいる気がしない。
あと少しのはずなのに、たどりつかない。
見えていたはずのものが、見えなくなる。
「う〜」
海に顔を向け、唸っている少年がいた。
黒猫のスーツに身を包んだ少年は、自分の目標に押し潰されていた。
皆の手助けをしたい。少年はそう思っていたが、中々に難しい。
見えているようで、掴むことができない。
「なんだ。コタロー」
近づいてきた黒猫は軽く笑う。
「クロちゃん……」
コタローは自分の悩みについて話した。
見えているのに掴めなくて、進んでるようで停滞してる。
コタローの話を黙って聞いていたクロが、強く背中を叩いた。
「大丈夫だ」
何の根拠があるのだろうか。
「今日は木曜だろ?
あと少し、頑張ってみろよ。一週間」
近所を散策したり、研究をしたりする毎日を送っているコタローに、曜日の感覚などない。
なのに、クロに言われると、一週間頑張れる気がした。
いつまで経っても、クロはコタローのヒーローだ。
くじけないで木曜日
キラキラした金塊の山に囲まれて眠る。
それは誰しもが憧れるような、憧れないようなこと。
たとえ憧れたとしても、夢にみるだけ。実現を願うような人間はそうそういない。
「金ぇ!!」
ゴクドー以外は。
「もう! いーかげんにしなさいよねぇ」
ゴクドー達は、成り行きで一つの村を救った。
善意からでは、ほとんどない。
戦いを求めた女と、美女に弱い王子。そして唯一の良心であるジンの三人によって、村は救われた。
小さな村で、毎日を生きるのに精一杯といった風だ。
各々の欲望のままに村を救った三人は金は要求しなかった。
しかし、ゴクドーは金を要求する。
「ジンは人助けが趣味だし、ルーベットは戦えりゃあ満足。プリンスは女の子をはべらせて……オレだけ骨折り損のくたびれ儲けじゃねーか!!」
あまりにうるさいので、ゴクドーはさるぐつわをされ、ロープでしばられ、引きずられる。
「じゃあ行きますね」
優しい笑みを浮かべ、村人に手を振るルーベットとは裏腹に、ゴクドーは恨めしげな目を向けていた。
金に輝け金曜日
ゆとり教育がどうのって言われる今日この頃だが、オレとしてはどっちでもいいの一言だった。
行きたくない奴はサボるだろうし、勉強が好きな奴や真面目な奴、ダチと会いたい奴はくるだろう。
日本の平均学力がって騒ぐ前に、目の前にいるガキの目でも見ればいい。たいていの答えはそこにある気がする。
今日も池袋にはガキ共がいる。
ああ、今日は土曜日だったな。どうりでガキが多いわけだ。超高齢化社会だっけか?
実感わかねえなぁ。
この池袋のキングとまた話してみようかな。
オレ達の住む国の未来について。
そんなことかとあいつは笑うだろう。
「そんなことは、未来にいけば嫌でもわかる」
あたかもそれが可能なように言うんだ。
とても詐欺師が似合う王様。
ゆとりの象徴(?)は土曜日です
この世界で、曜日ほど無意味なものはない。
季節や日付は行事をするのに必要だし、時分は一日の予定のためにも必要だ。
だが、いつ死ぬかわからず、死んだ日の記憶を持たないこの町の住人に、曜日は必要ない。
「――今日は、日曜日か」
赤い部屋で軍人は呟く。
日曜日かと言いつつ、曜日の感覚などとうにない。
目に見える色がすべて赤いから、日曜日かと思っただけ。
ゆっくりと目を閉じて、今は眠っている自分へと話しかける。
「なあ、明日はmondayだぞ?
早く寝ちまおうぜ」
声は返ってこない。
また泣いているのかもしれない。先に寝てしまっているのかもしれない。
軍人はため息をついて、赤い固まりを手にする。
大きなな固まりを家の外へ放り出す。
赤く染まった部屋はしかたないので放置して、ベッドへ横たわる。
さようなら一週間。また明日