case ???
石丸清多夏の前にはいくつもの道がある。
どの道を選ぶかは己しだい。
彼には好きな人がいた。
名は大和田紋土。超高校級の暴走族。
超高校級の風紀委員として希望ヶ峰学園にやってきた石丸とは正反対の人間。
けれど、どうしても惹かれてしまうのだ。反対だからこそか、それとも、彼の身の内側で眩しく輝く光に引き寄せられるのか。どれにしたって結果は同じだ。
どの道を選んだとしても、石丸は大和田を好きになる。
胸いっぱいの愛を抱いてしまうのだ。
ならば、どの道を選ぶか、というのは、どの道が一番幸せになれるのだろう、ということだ。
石丸は長く長く延びる道を眺める。その先がどうなっているのかは進んでみなければわからない。願わくば、全ての道が幸福に繋がっていればいいと思う。
優しく願う彼の後ろで、声がした。
「ウププ。
みんなは、あたしのせいでBAD ENDなんだって言うけどさぁ、あたしがいようといなかろうと、あんた達にHAPPY ENDなんてあるの?」
女の声を聞きながら、石丸は、ただ前だけを見ていた。
そんな彼を彼女―絶望―はニコニコを眺めていた。
END