この動画を作ってるときにイメージしてた三匹。
完璧に病んでいます。お前ら病みすぎ。そんな彼らでも愛せる! という方のみどうぞ↓







 あの時のことを忘れはしない。そしてオイラはオイラを許さない。決して。
 大切だった。家族だと思っていた。そんなマタタビをオイラは傷つけた。それは許されることじゃねーし、許される気もねぇ。
 オイラ自身が誰よりも憎い。殺してやりたい。そう、もしも過去へいけるのなら、オイラは絶対に自分を殺してやる。だから早くオイラを殺してくれ。そのためだけにオイラはお前に武器を向ける。



 君を守るよ。どんなことからも、どんな者からも。ボクを助けてくれた君の夢を、けっして邪魔させない。
 邪魔をするような奴が現れたなら、君に気づかれないうちに消してしまうから。君は何も知らないままでいて。君は真っ白なままでいて。汚れるのはボクだけでいいから。
 他になんて興味はない。君がボクの全てだから。
『I do not forgive it』
 壁に刻むよ。君を傷つけようとする者への言葉を。



 ミー君のやっていることを責めるつもりはない。が、後始末くらいしておけと言ってやりたい。
 明らかにあいつがやった死体を見て、オイラはため息を一つつく。心優しいオイラは血の後始末をしてやる。
『許さない』
 死者へ向けた言葉をガトリングで削り取り、小さく笑う。



 右目は抉られた。胸は貫かれた。それをどうこう言うつもりはない。ただ、血が流れる。それだけだ。そのはずなのに、時折幼いころのキッドを夢に見るときがある。
 キッドへ手を伸ばすが、その手は届かない。ヤツの足元には血溜まりがあって、拙者は心配するのだが、ヤツは悲しげにこちらを振り向くだけ。いや、その後に険しい顔つきで拙者に何かを言う。
 拙者はその言葉を覚えていない。だが、それが悲しく、辛い言葉であることは覚えている。
『お前を守りたい』
 そんな言葉はきっとあいつには届かない。



 オイラのせいでたくさんの仲間が不幸になった。


 君のために罪を犯すよ。


 お前のために罪を犯そう。


 ほら、笑ってよ。君のためならボクはなんだってしてみせる。
 君の夢を叶えて。君のために小石一つない道を作るから。



 拙者がお主を傷つけた。
 本当は許したい。だというのに、許すことはできない。それを貴様が望まぬから。



 オイラに許してもらう資格なんてない。
 そうさ。オイラは疫病神。許されてはいけない。
 ほら。オイラは銃口を向ける。銃弾を放つ。さあ、反撃をしてこいよ。それが償いになる。



 貴様が拙者を殺したいなら、それもいいだろう。
 拙者の無力が貴様を傷つける。力があれば、こうはならなかった。全て、拙者が悪いのだ。



 ああ。またか。また彼らは思い違いをしている。
 どっちもお互いを思いあっているのに、気づいていない。気づけばきっと幸せになれるのに。
 ボクには二人に何があったのかなんてわからないけど、本当は傷つけあう必要なんてないってことだけはわかるよ。君達は悲しいね。



 オイラは幸せすぎた。
 優しい仲間達に囲まれて、幸せだった。そんな仲間達を不幸にしたのに、オイラは今もまた、幸せになってる。
 ここには何でもある。オイラを幸せにするものは何でもある。それは、許されないのに。



 満月の光りと夜の闇。まるで君とボクみたい。ボクは一生闇でいいから。君は一生光りでいてください。
 って、あいつは思ってんだろーな。
 馬鹿じゃねーの? あの三匹はみんな馬鹿だ。そう。オレ様だけが知っている。あいつらの気持ちとあいつらの愚かさを。



 ねぇ。アタイ、頼りにならない?
 ねぇ。アタイ、いつまで待てばいい?
 待ってるのに。話してくれるのを。頼ってくれるのを。
 一人で抱えないで。お願い。



 オイラの不注意があいつを傷つけた。


 拙者の弱さがキッドを失わせた。


 ボクは君のためなら闇にだってなるよ。


 ああ。雨だ。
 血を洗い流してくれ。



 雨よ。どうかあいつを濡らさないでやってくれ。
 拙者にはさしてやる傘がない。


 ほら見てよ。
 ボク達の手は血で汚れている。
 きっと雨なんかじゃ流せない。



 ガトリングを構えるのは傷つけられるため。


 剣をとるのは君を守るため。


 ただ立ち尽くすのは受け取るため。



END