5:私達は仲間である
ナルトを襲った里人の一件は、ナルト自らの手によってもみ消された。
里人の記憶は抹消され、ナルトは今までと同じように生活している。
サクラ達から、ずっと前からナルトが暗部だということは知っていたと言われ、驚いていたナルトであったが、それらを全部含めて『うずまき ナルト』だと受け入れてくれているので、ナルトは笑うことができている。
ナルトのことは里の重大機密だが、サクラ達ならば裏切るようなマネはしないだろうと記憶は消されていない。
それどころか、今ではナルトの修行をつけてもらうほどである。
「最近カカシ先生が遅刻しなくなったわね!」
心底嬉しそうな表情を浮かべたサクラが言うと、サスケも満足げに頷いた。
それもこれも、ナルトのおかげである。
「遅刻はよくないってばよ!」
素を見せても大丈夫となれば、今まで溜まっていた鬱憤を晴らさないてはない。
ナルトは見事にカカシを懲らしめ、カカシの遅刻癖を見事に治したのだ。
「でもね……先生、まだ怪我が治らないんだけど……」
いつの間にきていたのか、悲しそうな雰囲気をまとったカカシが呟いた。
ナルトのお仕置きが未だ体に残っているのだ。
「自業自得です!」
「サクラちゃんの言う通りだってばよ!」
「ふん。これで懲りただろ」
愛する部下達からの辛らつな言葉にカカシが涙したが、部下達は見て見ぬふり。
素早く任務をこなすべく、依頼主のもとへ向かった。
「本当にいいの?」
歩きながらナルトがポツリと聞いた。
「当たり前じゃない」
サクラがナルトの肩を叩く。
「うっすらとんかちが……」
サスケはため息混じりに呟く。
「そうだよ。ナルト」
ナルトの頭をカカシは撫でる。
それだけでナルトの表情は和らぐ。
これが『仲間』なんだと。
END
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