翌日の水曜日は特に何も起こらなかった。
 世界の危機も、週の半ばはダラダラと過ごしたいのだろう。
 気づけば傍にいる男、ザップも始終ダラダラをレオナルドの隣で過ごしていた。昨日の一件について問うて見ると、一緒にきたかったのか? と、怪訝な顔をされてしまった。
 確かに、改めて聞かれれば、一緒に行きたくはなかった。
 仕事の途中であったし、ライブラの出動要請ということは、多少の差はあれども、命を落とす一歩手前にまで踏み込まなければならなくなる。戦う力のないレオナルドとしては、好き好んで首を突っ込みたいとは思わない。
 押し黙ってしまったレオナルドに満足したのか、ザップはそれ以上言葉を重ねることはなかった。