誰もが休みに踊る土曜日。世界の危機もお休みしていたらしく、町のあちらこちらで騒ぎや爆発音が聞こえる程度で、大きな事件は起こらなかった。
ザップが昨日作ってきた頬の傷も大したものではなかったらしく、既にガーゼが剥がされている。
兄弟弟子に挟まれながら、木曜日に実行できなかった店探しをするだけの平和な時間だ。常識人のツェッドがいるおかげもあって、ザップがチンピラに絡むことも絡まれることもなく、当然レオナルドがアレコレに巻き込まれることもない。時折、カグツチやシナトベの余波を肌に感じるだけですんでいる。
「ちょっとは仲良くしてくださいよ」
「そりゃ無理な話だ」
「無理を言わないでください」
返ってくる言葉はやはり同時で、レオナルドは少し笑ってしまった。
こんな時間ばかりが続けばいい。
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